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暴れ天竜がおとなしくなる?
皆さん、普段目にしている天竜川ですが、川の中は工事で賑やかです。
私の家の近くでは、堤防の護岸工事、豊丘と高森を結ぶ龍神大橋、川の駅パークなどの工事で、
黄色や赤色の重機が盛んに動いています。
◆◇ドン・キホーテ高森店付近の工事の状況◇◆
ところで、天竜川の別名「暴れ天竜」をご存じですか?
名前の由来ではありませんが、江戸時代正徳5年(1715年)6月17日から降り始めた雨は、
翌18日早朝豪雨となり天竜川沿いは大氾濫となりました。
これを「未満水(ひつじまんすい)」といいます。
この氾濫を機に、寛延元年(1748年)から飯田藩で藩財政を豊かにするため、
現在の高森町下市田に中村惣兵衛という技術者による「惣兵衛堤防」を築きました。
総延長145.8m、天端幅約3.5m~14.5m、高さ約4m、工事費1,850両とすごいですね。
1両は今のお金で換算すると、それぞれの価値で違うのですが、
お米だと約4万円、大工の手間賃だと30~40万円、そば代で約13万円だそうです。
そば代を使ってみると、約2億4千万円となります。
そう見てみると、今の護岸工事もこのくらいの工事金で施工していますので、昔から同じなのですね。
この中村惣兵衛を主人公とした物語を、高森町ふるさとミュージカル「惣兵衛堤防に咲いた花」を公演、
私もミュージカルスターとして出演しました。(余談)
ミュージカルは大成功の内に終わりましたが、
残念ながら実際の惣兵衛堤防は1961年6月~7月の梅雨前線災害で起きた「三六災害」でほとんど流失してしまいました。
下市田の明神橋下流に惣兵衛堤防の一部を見ることができます。
その近くには、実際に堤防に使った巨石もありますので、当時を垣間見ることができますよ。
◆◇惣兵衛堤防の一部◇◆
◆◇惣兵衛堤防に使われた巨石◇◆
近年では前出の「三六災害」や「川路の氾濫」「松尾の浸水」など幾度なく暴れ天竜の名のとおり災害を繰り返しました。
しかし、災害を繰り返してはならないと各所で堤防築造や護岸の補強で
「暴れ天竜」から「やさしい天竜」にかわるかもしれませんね!
少し前は阪神淡路大震災、東日本大震災、今年の正月には能登半島地震で甚大な被害が出ています。
この地域も、東南海沖地震が近い将来発生すると言われていますので、
皆さんも日ごろから非常時の持ち出し袋の確認や、避難場所の確認をしておきましょう。
大きな被害が起きないことを祈るのみです。
もう一つ!
リニア中央新幹線の天竜川橋梁の工事、進んでいますね。
近くに行ってみると、すごく大きな橋です。びっくりするほど!
早く開通してほしいですね。
後ろに見える雪をかぶった仙丈ケ岳と伊那山脈、静かな天竜川とリニアの橋がマッチしますね。
◆◇喬木~座光寺に架かるリニア天竜川橋梁と仙丈ケ岳・伊那山脈◇◆