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社員ブログ

連作障害?

畑付きの空き家を手に入れ住み着いて10年になる。

10年前の畑は竹藪になっていて全容がわからないほどだった。

コツコツと開墾し今では50種類以上の野菜や穀物を育てるまでになっている。

畝に竹で支柱を組みトマトやナス、ピーマンなどを栽培し、
竹で組んだキュウリ棚にキュウリやエンドウマメを植え、
不耕起、無農薬、無施肥の自然栽培でここ何年か野菜を育ててきた。

竹で棚や支柱を組んで、
キュウリやトマトなどを育てているエリア

ところが、2年前くらいから、すくすくと育って実を付け始めたトマトやピーマン、キュウリなどが、
ある日突然萎れ始めるという事象が出始めた。

最初はモグラに根を切られたのではないかくらいに思っていたが、
今年になってバタバタと萎れる野菜が続出し、朝、畑を見に行くのが怖いような状態だ。

キュウリ棚で萎れたキュウリ

元気なトマトが急に萎れだす

実をつけ始めたシシトウが突然萎れ始める

そこで初めて「連作障害」という言葉が頭をよぎった。

毎年同じものばかり植えていると連作障害が起きるということは聞いたことはあるが、
まわりの草は元気すぎるほど伸びていて、
植えたものだけ枯れるなんてどこか現実離れして自分には関係ないことだと思っていた。

いまさら「輪作だ」、「土壌消毒だ」と面倒なことはしたくない中、
「連作のすすめ」という逆説的なタイトルの本を図書館で見つけた。

人目を引くためだけのタイトルかと思ったが、著者は立派な農学博士で、多くの実験や調査をもとに説いている。

この本によると、植物の根は養分や水分を吸収するだけでなく排泄も行っていて、
この排泄物の蓄積が3~4年でピークを迎え、
それをエサにして増殖するのが連作障害を引き起こす病原菌なのだという。

このため一時的に病原菌の密度が高まり連作障害が発生するが、
分解が進むと圃場内の微生物相が多様になり土壌病害の発生は治まり植物の生育は安定するのだという。

生育が悪くなった作物をさらに連作すると、拮抗菌の増加や農作物の適応性などで、
収量が増加する「発病衰退現象」が現れるという。

これが「連作のすすめ」たる所以だ。

つまり、3~4年連作して連作障害が起きても、めげずに連作を続けると、
かえって連作に適した良質な畑になるということだ。

うちの畑は、今年どんなに悲惨な状態になろうと、来年も連作を続けることにした。

さて、どんな結果がまっていることか。

T.Y